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お茶と本と手紙が大好き。沢山歩くのも大好き。ネコも大好き。おやつの時間も大好き。
by yorikoguma
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改めて学ぶ
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栗のなる季節も終わったなー。
美味しい季節はまだまだ続くけど。

キンモクセイの花は何月だっけ?
栗のなるのって何月だっけ?
ほうれん草の旬は?小松菜の旬は??
毎年「今か!」って思うのに、しばらくすると忘れちゃう。

そんなふうに、いつも大切にしなきゃいけないのについつい
後回しにしたり忘れちゃうことって沢山ある。
そういうことの一つを、先日の「サイン&スモールトークで思い出させてもらいました。

先日書いた通り、SANAAのお二人をお見かけして、わたしはうわずる声で
「サインをお願いできないでしょうか?」と申し上げました。
するとおふたりは
「はいはい。いいですよー」
「あーっ。さっぶいねー。昼あったかかったのにさーっ」
って想像を絶する気さくさでタバコを置いてサインを下さいました。
その自然さっていうか、気さくさがまず私をゆさぶります。
凄い仕事をしてる、有名な方っていう雰囲気が全然なくて。

それはもちろん悪い意味じゃないです。こっちが勝手に有名人だからって
構えてあたってるんです。
それが期待を裏切るものだっていわれてもかえって失礼だよ。だよ。
でも、そう思った。全然偉そうでも無ければ、私とお二人の間に
空気の違いもなにも感じなかったんだもん。

そんなことを一瞬で考えながら、サインをして下さってるところに
質問を投げかけます。
「ヴェンダースさんの映像で見ただけで、実際にはいったことが無いので
 気になっているんですが、ロレックスラーニングセンターの入口は
 どうなっているんですか?」
(ヴィム・ヴェンダース監督が、ロレックスラーニングセンターに関する映像を
 撮影し、ヴェネツィアビエンナーレで上映され、さらにそれが今回
 東京都現代美術館にきています)

お二人はかおを見合わせながら
「こうね、基本的に四隅にある感じだよね?」と。

こぐま「ヴィム・ヴェンダースさんの映像を見た時に、“終わりが無い”どこまでも
 続くっていうイメージを持って、出入りっていう概念を持たなかったんです」
というようなことをいうと

「あぁ、ヴェンダースさんは車でびゅーんって建物のすぐ横に来て、ひょいっと
 中に入ったから、出入りっていう感覚をあんまり持たなくて、いつのまにか
 建物の中にいたのね。で、そんなかんじのままで映像を撮ったみたいだった
 から、その感覚は正解かもー」「うんうんそうだね」
「21世紀美術館のときもそうなんだけど、イメージとしてどこからでも
 入れる、境界が無いっていって作っても、ひとってさ、こう、はじっこが
 安心するみたいで、はじっこに寄っていくのよー。で、結局はじっことか
 隅の出入り口だけが活用されちゃうの。そういうのってこっちがどんなに
 イメージもってやってもね、あれね。次はこうしようって考えるよね。
 21世紀(美術館)もさ、入口からいったん建物に入らないで、いきなり
 プールのところに行けるようにして、そこからみんな好き勝手な部屋に
 いけるようになったらいいのになーって思うよね」「うんうん」

私の脳みそは酸欠状態だったので、大体こんな話だったということで
正確ではないですよ。
でも、多分こんなお話だった。

世界規模で大きな仕事をどんどんやってらっしゃるお二人が
「普通」に、話をして下さったこと。
さらに、一つ一つの仕事について色んな想像をして取り組んで、
で、実際それがどんなふうに使われてるかどう扱われているかを追いかけて
消化して次の仕事につなげている。
そういうことを実際のおふたりの声を通して実感したんです。

私は、電話出た時とか、仕事に関して人に説明する時声が変わっちゃうの。
よそ行きになったり、派手に緊張してへんてこな日本語になったりする。
そういうの、違うなぁっておもってたけど、やっぱり違うや。
自分の軸がどーんと大地に刺さっていたら、よそ行きしなくてもいいんじゃ
ないかな?

あと、きちんとひとつひとつの仕事を振り返り、消化して糧にする。
それも特別なことじゃなくてごくあたりまえにできるようになりたい。
それが今回のながーい5分間で感じたこと。


あー!!こういう感動に行き当たった時に、それをうまく文章に
まとめる能力がほしいなぁ。
by yorikoguma | 2011-11-07 14:25 | 日常の中に
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